HOME
現場ブログ
さいたま市北区｜屋根の漆喰黒ずみ・瓦の剥離・瓦屋根を補修工事にて雨漏り対策｜漆喰補修と定期点検の重要性

今回は、さいたま市北区にお住まいのお客様から「庭に漆喰の欠片らしきものが度々落ちてくるので、一度屋根の状態を見てほしい」というご依頼をいただき、屋根の点検・診断を行ったうえで、漆喰補修工事を実施しました。
屋根の漆喰は普段の生活ではなかなか目にすることがない場所にありますが、実はお住まい全体を長持ちさせるために非常に重要な役割を担っています。今回は、その劣化症状と補修の工程をわかりやすくご紹介していきます。

■ 1. 屋根診断のきっかけ：庭に落ちていた「漆喰のかけら」

最初のきっかけは、お客様が庭先で偶然見つけた「白い破片」でした。
最初は「鳥の巣か何かの素材かな？」と気にも留めていなかったそうですが、頻繁に同じような破片が落ちてくるようになり、不安になって当社にご連絡いただきました。

実際に屋根に上がってみると、漆喰部分に明らかな劣化の兆候が複数確認されました。

■ 2. 漆喰の劣化症状

① 黒ずみ・変色

屋根全体の漆喰が酸化の影響により、全体的に黒ずんでいました。白く美しい漆喰は、経年劣化によって空気中の汚れや雨水、紫外線の影響を受け、次第に黒ずんできます。また、一部ではコケや藻類が発生しており、長年の湿気がたまっていたことがうかがえました。

② 剥がれ・崩れ

部分的に漆喰が完全に剥がれ落ちており、中の「葺き土（ふきつち）」が露出している箇所がいくつもありました。本来、漆喰は瓦と棟部分の隙間を埋める役割を果たし、風雨や害虫から内部を守っています。それが剥がれてしまうと、内部に雨水が入り込み、土が流出したり、棟の構造が弱体化してしまいます。

③ 継ぎ手部分の劣化

棟と棟の「継ぎ手（つなぎ目）」部分では、ほとんど漆喰が残っていない状態でした。こうした箇所は地震や強風の際に特に力が加わりやすく、劣化したまま放置すると棟瓦がずれたり、最悪の場合は崩落する危険性もあります。

■ 3. 漆喰の役割と放置のリスク

漆喰は、単に見た目を整えるためのものではなく、以下のような役割を担っています。

棟瓦の固定と安定化
雨水の侵入防止
屋根内部の土や構造材の保護
風による瓦の浮き防止

この漆喰が劣化・剥離してしまうと、棟全体が不安定になり、瓦のズレや棟の曲がりといった構造上のトラブルにつながります。さらに、雨水が内部に侵入すると、屋根裏に湿気がたまり、長期的には雨漏りや木部の腐朽といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。
一見すると小さな漆喰の欠片でも、その裏には建物の寿命を左右するようなリスクが隠れていることも少なくありません。

■ 4. 補修工事の工程

今回の工事では、劣化した漆喰を一度すべて撤去したうえで、新しい漆喰を施工しました。工程は以下の通りです。

① 旧漆喰の撤去

まずは劣化した古い漆喰を、瓦や棟を傷つけないように丁寧に取り除きます。この工程を疎かにすると、新しい漆喰がうまく密着せず、短期間で再び剥がれる原因になります。

② 継ぎ手部分の補修

棟のつなぎ目は特に劣化が進んでいたため、漆喰でしっかりと固定し直しました。この部分がきちんと補修されることで、地震や強風でも棟瓦が安定します。

③ 新漆喰の施工

新しい漆喰を一箇所ずつ、丁寧に塗り込んでいきます。最近では耐久性の高い漆喰材や防水性を持つものも多く、従来より長持ちする施工が可能になっています。施工後は真っ白で美しい仕上がりとなり、美観面でも建物全体が引き締まりました。

■ 5. 施工後の状態とお客様の声

施工が完了すると、黒ずんでいた漆喰は見違えるように明るくなり、棟部分の隙間や露出していた土もすべてしっかりと保護されました。
お客様からも「庭に落ちてくる破片が気になっていたけど、原因がはっきりして安心した」「見えない場所だからこそ、しっかり直してもらえてよかった」というお言葉をいただきました。

■ 6. 屋根の漆喰は「見えない場所」だからこそ点検が重要

屋根の漆喰は、日常生活の中で目視できる機会が少ないため、劣化に気づかないまま長年放置されてしまうケースが少なくありません。しかし、漆喰の剥がれや黒ずみは建物の老朽化を知らせる大事なサインです。
特に築10〜15年を過ぎた住宅では、一度専門家による屋根点検を受けることを強くおすすめします。早期に発見・補修することで、雨漏りや大規模な修繕を未然に防ぎ、結果的に費用を抑えることができます。

■ 7. まとめ

今回のさいたま市北区での漆喰補修工事では、劣化した漆喰を丁寧に撤去し、新たに施工することで、棟部分の構造と防水機能をしっかりと回復させることができました。
屋根は住まいの中でもっとも過酷な環境にさらされる部分です。見えない場所だからこそ、定期的な点検とメンテナンスが長寿命化のカギになります。